「何か資格を取らなきゃ」
転職を考え始めたとき、
私は、
そんなことを考えていました。
事務職しかしてこなかった。
専門的な資格も、
それほど持っていない。
だから、
資格を取れば、
自分の市場価値が上がるんじゃないか。
新しい仕事に就けるんじゃないか。
そんなふうに思っていました。
「資格がないから、自信がない」
求人を見ていると、
いろいろな資格が目に入ります。
簿記。
MOS。
社会保険労務士。
宅地建物取引士。
キャリアコンサルタント。
その他にも、
世の中には本当にたくさんの資格があります。
「この資格を持っている人はすごいな」
と思う。
そして、
自分の資格欄を見る。
すると、
なんとなく、
自分だけ何も持っていないような気持ちになる。
資格がない。
だから、
自信がない。
そんな状態でした。
最初はAIやWEBデザインを考えていた
実は、
キャリアコンサルタントの勉強を始める前、
私は、
別のことを考えていました。
「これからの時代についていくために、
何か勉強しなきゃ」
と思っていたからです。
リスキリング制度の対象になる講座を探して、
AI系やWEBデザイン系などを考えていました。
副業にも使えるかもしれない。
転職にも役立つかもしれない。
そんな、
かなり漠然とした理由でした。
でも、
正直に言うと、
私は、
AIやWEBデザインが、
ものすごく好きだったわけではありません。
パソコンも、
普通程度。
得意分野というわけでもありません。
それでも、
「これからはこういう時代だから」
という理由で、
学ぼうとしていました。
そこで、キャリアカウンセリングを受けた
ヒューマンアカデミーで、
キャリアカウンセリングを受けることになりました。
私は、
自分のことをかなり正直に話しました。
前の会社を辞めたこと。
そこで感じたこと。
AIやWEBデザインを考えていること。
でも、
実はそこまで好きではないこと。
本当は、
人と関わる仕事にも興味があること。
すると、
カウンセラーの方から、
キャリアコンサルタントという仕事を教えてもらいました。
私は、
それまで、
その仕事を知りませんでした。
でも、
説明を聞いた瞬間、
不思議なくらい、
心に刺さりました。
「これだ」
と思ったのです。
資格ではなく、「やりたいこと」に出会った
今振り返ると、
私が惹かれたのは、
「キャリアコンサルタントという資格」
だけではなかったのだと思います。
人の話を聴く。
その人が自分のキャリアについて考えるのを支える。
その人自身が、
自分の答えを見つける手助けをする。
そういう仕事の考え方に、
自分の興味が重なった。
だから、
「資格を取れば転職できそう」
という気持ちより、
先に、
「この仕事を知りたい」
という気持ちが出てきました。
これは、
私にとって大きな変化でした。
40万円以上の講座を、私は即決した
講座の費用は、
40万円を超えました。
普段の私は、
大きな買い物を即決するタイプではありません。
それなのに、
そのときは、
かなり早く決めました。
最初は、
AIやWEBデザインについて話を聞こうと思っていた。
それなのに、
気づけば、
キャリアコンサルタントの講座を申し込んでいた。
今考えても、
不思議な出来事です。
でも、
それだけ、
「これをやってみたい」
と思ったのだと思います。
もちろん、資格を取っただけで仕事が決まるわけではない
ここは、
今の私だからこそ、
冷静に言えることです。
資格を取ったからといって、
必ず転職できるわけではありません。
資格を持っているだけで、
採用されるわけでもありません。
実務経験を求められることもあります。
年齢やこれまでの職歴も、
当然見られます。
だから、
「資格さえ取れば人生が変わる」
という考え方は、
少し危険だと思います。
では、資格を取る意味は何なのか
私は今、
資格には、
いくつかの意味があると思っています。
一つは、
専門知識を身につけること。
もう一つは、
自分が何に興味を持っているのかを知ること。
そして、
もう一つ。
新しい世界に入るきっかけになること。
私にとって、
キャリアコンサルタントの勉強は、
まさにこれでした。
勉強を始めたことで、
キャリアについて考えるようになりました。
理論家の考え方を知りました。
自分自身のキャリアを振り返りました。
VPI検査も受けました。
「私は何を大切にしたいんだろう?」
と考えるようになりました。
つまり、
資格取得のための勉強が、
自分自身を知る時間
にもなったのです。
「資格を取ること」より、「何のために取るのか」
資格を探していると、
つい、
「どの資格が役に立つ?」
と考えてしまいます。
でも、
その前に、
「私は何をしたいんだろう?」
と考えてみてもいい。
例えば、
人事の仕事がしたいなら、
なぜ人事なのか。
採用に興味があるのか。
人材育成なのか。
社員支援なのか。
労務なのか。
事務経験を活かしたいのか。
それとも、
まったく違う仕事に挑戦したいのか。
そこが分かると、
必要な勉強も、
少しずつ変わってきます。
私の場合は、「人と関わりたい」が残った
自分のキャリアを振り返ってみると、
私は、
人と関わること自体が嫌いなわけではありませんでした。
むしろ、
誰かから相談されたり、
困っている人の手続きを手伝ったり、
「ありがとう」と言われたりすることには、
嬉しさを感じていました。
ただし、
ずっと人と話している仕事は疲れる。
一人で集中する時間も必要。
だから、
「人と関わる仕事なら何でもいい」
わけではない。
このことにも、
少しずつ気づいてきました。
資格を探すことは、自分を探すことでもある
以前の私は、
資格を、
「転職するための武器」
だと思っていました。
もちろん、
それも一つの側面です。
でも、
今は、
それだけではないと思っています。
資格を調べる。
講座の内容を見る。
その仕事をしている人の話を聞く。
実際に勉強してみる。
すると、
「これは面白い」
「これは違う」
「もっと知りたい」
「これは自分には合わない」
ということが分かってきます。
それ自体が、
キャリアを考える材料になります。
「向いている」と言われたことが、最初の一歩になった
私の場合、
カウンセラーの方から、
「あなたにはキャリアコンサルタントが合っている気がします」
と言ってもらいました。
その言葉が、
ものすごく嬉しかった。
子どもの頃から、
「やりたいことがない」
ことに、
ずっと悩んでいたからです。
「銀行員になりたい」
と思ったこともありませんでした。
何になりたいのか、
分からない。
周りには、
夢がある人もいる。
私は、
何もない。
そんなことを、
長い間、
気にしていました。
だから、
「あなたにはこれが合っているかもしれない」
と言ってもらえたとき、
長年探していたものを、
突然見つけたような気持ちになりました。
その瞬間に、人生の答えが全部決まったわけではない
もちろん、
今でも、
「キャリアコンサルタントになれば、
すべて解決する」
とは思っていません。
実際に仕事としてやってみたら、
「思っていたのと違った」
となる可能性だってあります。
でも、
少なくとも、
一歩進むことができました。
「何もやりたいことがない」
から、
「これを勉強してみたい」
に変わった。
これは、
私にとって、
かなり大きなことでした。
資格は「ゴール」ではなく「扉」なのかもしれない
最近、
資格について考えるとき、
こんなイメージがあります。
資格を取ることは、
ゴールに到着することではない。
むしろ、
新しい扉を開けること。
その扉の向こうに、
どんな仕事があるのか。
自分に合っているのか。
本当にやりたいのか。
実際に見てみる。
違ったら、
別の扉を探してもいい。
それでいいのだと思います。
だから、「何の資格を取ればいい?」と迷ったら
まず、
資格のランキングを見る前に、
自分に聞いてみる。
「私は、どんなことをしているときが苦痛じゃない?」
「どんなことで人から頼られてきた?」
「どんな仕事なら、もう少し知りたいと思える?」
「今の仕事の何が嫌で、何は嫌じゃない?」
そして、
気になる資格があったら、
その資格を取った先に、
どんな仕事があるのかを調べる。
できれば、
実際にその仕事をしている人の話を聞いてみる。
それから、
決めても遅くありません。
私も、まだ勉強の途中
私は今、
キャリアコンサルタント資格取得に向けて、
勉強しています。
まだ、
「キャリアコンサルタントとして完成した私」
ではありません。
むしろ、
勉強を始めたことで、
知らないことがたくさんあると分かりました。
でも、
それでいいと思っています。
36歳で、
やっと、
「もっと知りたい」
と思えるものに出会った。
そのことを、
私は大切にしたい。
資格を取ることだけを目的にせず、
この学びを通して、
自分のキャリアについて考え、
これからの働き方を考え、
そして、
いつか誰かのキャリアを考えるときにも、
この経験を活かせたらと思っています。
「資格がないから、
私は何も持っていない」
そう思っていた私。
でも、
今は少し違います。
資格は、
自分の価値そのものではない。
資格を通して、
何を学び、
何を考え、
どこへ進んでいくのか。
そのほうが、
ずっと大切なのかもしれません。
私も、
まだ途中です。
まだ、これから。
