「安定している=幸せ」とは限らない
私が最後に勤めていた会社は、客観的に見れば、とても恵まれた会社でした。
インフラ系の会社で、経営基盤も安定していました。
給与は年々上がっていきました。
資格を取得すれば資格手当もつき、事務職としてはかなり高い水準の給与をもらっていました。
休日も多く、福利厚生も充実していました。
家賃の補助があり、資格取得費用の支援もある。
人間ドックの補助もあり、時間外勤務をすればきちんと手当が出る。
病気や体調不良で休む必要があったときにも、安心して休める制度がありました。
「こんな会社を辞めたら、もう二度とこんな待遇の会社には出会えないかもしれない」
私は本気でそう思っていました。
それでも、毎日「辞めたい」と思っていた
待遇だけを見れば、辞める理由なんてありません。
給料もいい。
休みも多い。
福利厚生もいい。
会社も安定している。
家族も「一生勤めてほしい」と思っていたと思います。
周囲からも、
「そんな有名な会社に勤められてすごい」
と言われました。
私自身も、会社名が知られていることには満足していました。
実際、お金もどんどん貯まりました。
それなのに、毎日の頭の中は、
「辞めたい」
でいっぱいでした。
「今月で辞めよう」
と思いながら出勤する。
でも、
「こんなに条件のいい会社を辞めていいのか」
と考える。
転職したら年収が100万円以上下がるかもしれない。
家賃補助もなくなる。
福利厚生もなくなる。
病気が再発したらどうしよう。
転職先でまた病気になったらどうしよう。
生活水準を下げられるだろうか。
家族は悲しむだろうな。
そんなことを毎日のように考えていました。
「お金があるのに、幸せではない」という違和感
私の場合、特に大きかったのが、
「こんなに恵まれているのに、なぜこんなにつらいのだろう」
という違和感でした。
給与が上がるたびに、生活は安定していきました。
資産も増えていきました。
資格もたくさん取得しました。
仕事の知識や事務処理能力も上がりました。
それなのに、心はどんどん苦しくなっていきました。
最後の1年は、仕事に行くことそのものが苦痛でした。
何もやる気が出ない。
何をしても楽しくない。
年末年始の長い休みも、どこかへ遊びに行くのではなく、精神的に回復するために使っていました。
「このまま定年まで、この職場にいて職業人生を終えていいのだろうか」
そんな疑問が、頭から離れなくなりました。
「安定」を手放すことが怖かった
私は、安定を軽視していたわけではありません。
むしろ、安定を失うことがとても怖かったです。
一度生活水準が上がると、それを下げることにも不安があります。
病気を経験した私にとって、安定した収入や休みやすい制度は、とても大切なものでした。
だから、
「嫌だから辞めればいい」
とは簡単には考えられませんでした。
何度も何度も、
「今の安定を捨ててまで、辞める必要があるのか」
と自分に問い続けました。
でも、あるときから、
「安定した生活を維持すること」と「この職場に居続けること」は、同じではない
と思うようになりました。
安定した収入は大切です。
福利厚生も大切です。
でも、それを得るために心や身体を壊してしまったら、何のための安定なのだろう。
私はそう考えるようになりました。
「辞めること」ではなく、「どう生きたいか」を考えた
私は、会社を辞めればすべて解決すると考えていたわけではありません。
むしろ、退職後のこともかなり考えました。
そして、退職を決意してからは、退職後にやりたいことをたくさん予定に入れました。
旅行に行く。
友達と会う。
勉強する。
興味のあることを学ぶ。
これからの仕事について考える。
ブログを始める。
副業について勉強する。
キャリアコンサルタントについて学ぶ。
そうやって予定を作っていくうちに、退職後の生活が楽しみになっていきました。
そして実際に退職してみると、
ワクワクが止まりませんでした。
「ここまでよく頑張ってきた。自分、お疲れさま」
そんな気持ちでした。
身体と心は、驚くほど元気になっていきました。
息がしやすくなり、行動的になりました。
少しずつ、以前の自分の性格が戻ってくるような感覚もありました。
「辞めてよかった」
と心から思いました。
安定を捨てることを勧めたいわけではない
だからといって、
「つらいなら安定した会社でも辞めればいい」
と言いたいわけではありません。
私にとっては、退職することが正解でした。
でも、別の人にとっては、転職ではなく、部署異動かもしれない。
働き方を変えることかもしれない。
上司に相談することかもしれない。
副業を始めることかもしれない。
生活費を下げて、働く時間を減らすことかもしれない。
「辞める・辞めない」の二択ではなく、いろいろな方法があります。
大切なのは、
「今の会社を辞めるべきか」だけではなく、「私はこの先、どんな生活を送りたいのか」
を考えてみることなのだと思います。
私自身も、まだその答えを探している途中です。
今後、事務職に戻る可能性もあります。
キャリアコンサルタントの勉強を続けています。
ブログや副業についても学んでいます。
これまで続けてきた資産形成についても、これからの生活を考えるうえで大切な要素になっています。
まだ「これが私の天職」というものを見つけたわけではありません。
それでも、以前のように、
「安定した会社にいるのだから、我慢しなければいけない」
とは思わなくなりました。
安定も大切。
でも、自分の心や身体も同じくらい大切。
その両方を大切にしながら、自分に合った働き方を探していけばいい。
今は、そんなふうに考えています。
