「優しい世界で働きたい」と思った。退職後、私が福祉の仕事を調べた理由

前の会社を辞めることを決めたとき、私は「次はどんな仕事をしよう」と考えていました。

それまでの私は、事務職として働いてきました。

会計、請求書、勤怠、福利厚生、社員対応、備品管理、本社への報告……。

できることは増えていました。

資格もたくさん取りました。

それでも、仕事をしている中で感じていたものがあります。

寂しさです。

一生懸命仕事をしても、それが当たり前になっていく。

困っている人を助けても、いつの間にか「やってくれる人」として扱われる。

自分ばかりが頑張っているように感じる。

そして、仕事をしない人がいても、その負担を誰かが背負わなければならない。

そんな環境の中で、私は少しずつ疲れていきました。

目次

「もっと優しい世界で働きたい」

退職を考えるようになった頃、私はふと、

「もっと優しい世界で働きたい」

と思うようになりました。

もちろん、福祉の仕事だって大変です。

人間関係の問題もあるでしょうし、決して「優しい人しかいない世界」ではないと思います。

それでも当時の私には、

「人の役に立つことが仕事になる」

「誰かの生活を支える」

「困っている人に寄り添う」

という仕事が、とても魅力的に感じられました。

今までの仕事でも、人をサポートすること自体は好きでした。

社員から頼られること。

困っている人のために調べること。

申請の手伝いをすること。

ちょっとした気遣いをすること。

「ありがとう」と言ってもらえること。

私は、そういう部分にやりがいを感じていました。

だから、

「もしかしたら、もっと人の役に立つ仕事のほうが自分には合っているのではないか」

と考えるようになりました。

社会福祉士という仕事を知った

そこで調べ始めたのが、福祉の仕事でした。

その中でも、社会福祉士という資格に興味を持ちました。

「社会福祉士になるにはどうすればいいのだろう?」

「今からでも目指せるのかな?」

「働きながら勉強できるのかな?」

そんなことを調べていきました。

そして、通信制大学のパンフレットまで取り寄せました。

今までの私は、仕事を変えたいと思っても、どちらかというと求人を探して終わることが多かったと思います。

でも、このときは少し違いました。

「実際にその世界に入ったら、自分はどう感じるんだろう?」

と考えるようになっていました。

実際に福祉業界の人に話を聞いた

さらに、福祉業界を知っている人に話を聞きました。

仕事の内容。

大変なこと。

働き方。

資格を取るまでのこと。

実際に働いている人だからこそ分かる話を聞きました。

そこで感じたのは、

「やっぱり大変そうだな」

という気持ちと、

「でも、やっぱり興味がある」

という気持ちの両方でした。

そこで私は、さらに一歩踏み込んでみることにしました。

ボランティアにも行ってみた

私は福祉施設のボランティアにも行きました。

これは、今振り返ってみても良い経験だったと思います。

本やインターネットで仕事内容を調べるだけではなく、実際の現場を見る。

そこで働く人を見る。

利用者の方と接する。

「自分はこの場所で働いている姿を想像できるだろうか?」

と考える。

実際に経験してみることで、分かったこともたくさんありました。

福祉という仕事そのものを知ることができたこと。

そして、

「興味があること」と「自分が職業として続けたいこと」は、必ずしも同じではない

ということです。

「福祉が嫌だった」わけではない

最終的に、私は福祉の道には進みませんでした。

社会福祉士を目指すこともやめました。

でも、それは福祉に魅力を感じなくなったからではありません。

むしろ、実際に調べて、話を聞いて、ボランティアまで経験したからこそ、

「自分が求めているものは、福祉という業界そのものではないのかもしれない」

と分かったのだと思います。

私は、人の役に立つことが好き。

人に感謝されることも嬉しい。

誰かを支えることにもやりがいを感じる。

でも、それだけではなく、

自分自身の知識や経験を使って、人のキャリアや働き方を支えることにも興味があるのではないか。

そんな方向へ、少しずつ考えが変わっていきました。

そして、その先に出てきたのが、

キャリアコンサルタント

という仕事でした。

「やってみて違った」は、失敗ではなかった

今振り返ると、私は福祉を目指したことを「遠回りだった」とは思っていません。

もし、

「福祉に興味がある」

と思っただけで、実際には何も調べなかったら。

もし、通信制大学のパンフレットを取り寄せなかったら。

もし、業界を知る人に話を聞かなかったら。

もし、ボランティアに行かなかったら。

私はずっと、

「福祉の仕事なら自分に合うかもしれない」

と思い続けていたかもしれません。

でも、実際に動いてみた。

そして、

「やっぱり違うかもしれない」

と分かった。

それでいいのだと思います。

キャリアは「最初から正解を選ぶ」ものではない

私は若い頃、進学先を選ぶことさえ怖いと思っていました。

一つの専門分野に絞ってしまったら、途中で「自分には合わない」と思っても取り返しがつかない。

時間もお金も無駄になる。

将来の職業選択まで狭くなってしまう。

そんなふうに考えていました。

だから、できるだけ失敗しない選択をしたかった。

でも、大人になってから何度も仕事を変え、いろいろな仕事を経験して、少し考え方が変わりました。

最初から正解を選ばなくてもいい。

興味を持ったら調べる。

人に聞く。

実際に見てみる。

やってみる。

違ったら、また考える。

その繰り返しでもいいのだと思います。

あの頃の私は「自分に合う仕事」を探していた

当時の私は、キャリア理論のことなど何も知りませんでした。

もちろん、キャリアコンサルタントという仕事を目指すことになるなんて、想像もしていませんでした。

ただ、

「このままでは嫌だ」

という気持ちから動き始めました。

前の職場で寂しかった。

だから、人を支える仕事を探した。

福祉を調べた。

社会福祉士を知った。

大学のパンフレットを取り寄せた。

人に話を聞いた。

ボランティアをした。

そして、違う道へ進んだ。

今考えると、これは私にとって初めての、本格的なキャリア探索だったのかもしれません。

「まだ、これから」だから、探してみる

もし今、

「事務職しかしてこなかった」

「資格もない」

「特別なスキルがない」

「40代になってしまった」

「今さら違う仕事なんて無理なのでは」

と思っている人がいたら。

私は、自分の経験からこう思います。

興味を持った仕事を、いきなり転職先にしなくてもいい。

まず調べてみる。

その仕事をしている人の話を聞いてみる。

説明会に行ってみる。

資格について調べてみる。

ボランティアや副業など、できる範囲で実際に触れてみる。

「やっぱり違う」と分かったら、それも大きな収穫です。

何もしなければ、「もしかしたら向いていたかもしれない」という気持ちだけが残ります。

でも、一歩動けば、

「私はこれが好き」

だけではなく、

「私はこれは違う」

ということも分かります。

それも、自分のキャリアを考えるうえでは大切な情報です。

私も、まだ答えを見つけたわけではありません。

それでも、以前よりは自分のことが分かるようになりました。

そして今は、

「まだ、これから」

と思っています。

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