キャリアコンサルタントの勉強を始めるまで、
私は「キャリア」という言葉を、
どこか遠いものだと思っていました。
キャリアというと、
立派な仕事。
専門的なスキル。
出世。
管理職。
資格。
年収。
そんなイメージ。
「私には関係ない」
と思っていました。
私は事務職。
特別な資格がたくさんあるわけでもない。
転職を繰り返してきたわけでもない。
何か大きな実績があるわけでもない。
だから、
「キャリアについて語れるような人間じゃない」
と思っていました。
ところが、
キャリアコンサルタントの勉強を始めて、
その考え方が少しずつ変わってきました。
キャリアは「仕事」だけではなかった
勉強を始めて最初に感じたのは、
キャリアって、
思っていたよりずっと広いものなんだ、
ということでした。
仕事だけではない。
これまで何をしてきたのか。
何を大切にしてきたのか。
どんな経験をしてきたのか。
どんな人と出会ったのか。
どんな環境で生きてきたのか。
何が好きで、
何が苦手で、
何に心が動くのか。
そういうものも含めて、
「その人のキャリア」なんだと思うようになりました。
そう考えると、
私にもちゃんとキャリアがありました。
私の過去は「バラバラ」だと思っていた
私はこれまで、
観光施設。
広告代理店。
ヘルスケア施設。
そしてインフラ系企業。
いろいろな場所で働いてきました。
仕事内容も、
会計補助。
請求書発行。
店舗運営。
トラブル対応。
一般事務。
勤怠管理。
年末調整。
福利厚生。
社員の申請対応。
請求書処理。
一見すると、
かなりバラバラです。
以前の私は、
「一貫性がないな」
と思っていました。
もっと早く、
一つの専門分野を決めておけばよかった。
そう思ったこともあります。
でも、
キャリアについて学ぶようになって、
別の見方ができるようになりました。
「バラバラ」ではなく「積み重なっていた」
観光施設で働いた。
人と接することを経験した。
広告代理店で働いた。
会社という組織を経験した。
ヘルスケア施設で働いた。
店舗運営やお客様対応を経験した。
インフラ系企業で、
事務として正確な仕事を経験した。
そして、
社員を支える仕事も経験した。
全部が、
今の自分につながっています。
当時は、
「その仕事をしていただけ」
と思っていたことが、
あとから振り返ると、
ちゃんと意味を持っている。
これが、
キャリアを学んでいて面白いと思ったところです。
キャリア理論を学ぶと「自分を説明する言葉」が増えていく
キャリアコンサルタントの勉強では、
さまざまな理論家について学びます。
最初は、
「理論家の名前、いっぱい出てくるな……」
と思いました(笑)。
でも、
勉強していくうちに、
「あれ?」
と思う瞬間が出てきます。
理論の中に、
自分の経験を説明してくれる言葉がある。
「これ、私のことじゃない?」
と思う。
それが面白い。
スーパーの理論を知って、自分の興味を考えた
私はVPI職業興味検査も受けました。
結果は、
R15
I40
A10
S90
E20
C65
でした。
そして興味パターンは、
SCI
でした。
これを見たとき、
「なるほど」
と思う部分がかなりありました。
私は、
人と関わることが嫌いではない。
でも、
人とずっと一緒にいることが好きなわけでもない。
正確な事務処理はできる。
でも、
細かい規則に縛られすぎるのは嫌。
そして、
人を支えたり、
相談に乗ったり、
その人の役に立ったりすることには、
興味がある。
「S」という結果が高かったことは、
自分でも納得できる部分がありました。
でも、「人が好き」だけでは説明できない
ここが私の面白いところです。
Sが高いからといって、
「じゃあ接客業が向いている!」
とは思いません。
私は、
人と関わる時間が多すぎる仕事は疲れます。
若い人ばかりの職場も苦手。
女性ばかりの職場も苦手。
一人で集中する時間も欲しい。
だから、
「人が好き」
だけでは足りません。
どのように人と関わりたいのか。
ここまで考える必要がある。
これも、
キャリアについて勉強して初めて気づきました。
キャリアアンカーを考えると、もっと自分が分かった
さらに、
「自分は何を大切にして働きたいのか」
についても考えるようになりました。
私の場合、
勤務地はかなり重要です。
東京に住みたくない。
東京で働きたくない。
これは、
「なんとなく嫌」
ではありません。
自分の暮らしを守るために、
かなり大切な条件です。
満員電車は嫌。
人の多い街も嫌。
高い家賃で狭い部屋に住むのも嫌。
自分の生活空間を大切にしたい。
そう考えると、
「勤務地」も、
私のキャリアにとって重要な価値観だったのだと思います。
「仕事より暮らしを優先する」は、悪いことではない
以前は、
仕事のためなら、
勤務地くらい我慢しなければいけない。
そう思っていました。
会社から必要とされたなら、
東京に行くべきなのかな。
本社で活躍できるなら、
行ったほうがいいのかな。
そんなふうに考えたこともあります。
でも、
行きませんでした。
何度打診されても、
断りました。
今振り返ると、
私は、
「仕事のために、自分の暮らしを全部変えることはしたくない」
という価値観を、
ずっと持っていたのだと思います。
「自分勝手」ではなく、「自分の人生をどう生きたいか」
キャリアについて勉強する前なら、
「そんなの自分勝手かな」
と思っていたかもしれません。
でも、
キャリアは、
人生の一部です。
仕事だけを切り取って、
「この仕事が一番いい」
と決めるものではない。
どこに住むのか。
どんな生活をするのか。
仕事以外の時間をどう過ごすのか。
健康をどう守るのか。
一人の時間をどれくらい持ちたいのか。
そういうことも含めて、
自分の人生を考える。
私は、
それもキャリアについて考えることなのだと、
少しずつ分かってきました。
「過去の自分」を責めることも減った
キャリアについて勉強する前は、
過去の自分を責めることもありました。
もっと早く資格を取ればよかった。
もっと専門性を身につければよかった。
もっと勉強しておけばよかった。
もっと若いうちに転職すればよかった。
どうして私は、
やりたいことがなかったんだろう。
どうして、
もっと頑張らなかったんだろう。
そんなふうに考える。
でも、
キャリアについて学ぶと、
少し違う見方ができます。
そのときの自分には、
そのときの事情があった。
そのときの価値観があった。
そのときの環境があった。
そのときなりに、
一生懸命選んでいた。
そう思えるようになりました。
「やりたいことがない人生」ではなかった
私は長い間、
「やりたいことがない」
ことをコンプレックスにしていました。
でも、
今振り返ると、
「やりたいことがなかった」のではなく、
「やりたいことを言葉にできなかった」
だけだったのかもしれません。
人を支えること。
自分のペースで働くこと。
自分の暮らしを守ること。
好きな場所にいること。
一人の時間を大切にすること。
新しいことを学ぶこと。
誰かの役に立つこと。
こういうものは、
ずっと私の中にあった。
ただ、
「職業名」になっていなかっただけ。
36歳で、ようやく言葉になってきた
だから、
キャリアコンサルタントという仕事を知ったとき、
あんなに強く惹かれたのかもしれません。
仕事そのものだけではなく、
それまで自分の中にあった、
「人の話を聞きたい」
「誰かの役に立ちたい」
「その人が自分らしく働くのを支えたい」
という気持ちが、
初めて一つの職業とつながった。
だから、
「これだ」
と思った。
偶然のようでいて、
実は、
これまでの人生の積み重ねの先にあったのかもしれません。
キャリア理論は「自分を型にはめるもの」ではない
キャリアコンサルタントの勉強を始める前、
私は、
「検査を受けたら、自分に向いている仕事が全部分かる」
ようなイメージを持っていました。
でも、
実際には違います。
検査結果も、
理論も、
あくまで、
自分を考えるための材料。
「あなたはこの仕事」
と決めるものではない。
「こういう傾向があるかもしれない」
「こういう価値観を大切にしているのかもしれない」
と、
自分を振り返るきっかけをくれるものです。
だから、
面白い。
そして、
自分で考える余白がある。
私は「自分の取扱説明書」を作っている
今の私は、
キャリアコンサルタントの勉強をしながら、
自分自身の取扱説明書を作っているような感覚があります。
好きなこと。
嫌なこと。
得意なこと。
苦手なこと。
大切にしたいこと。
譲れないこと。
人との距離感。
働きたい場所。
暮らしたい場所。
仕事以外で大切にしたいこと。
少しずつ書き足していく。
まだ、
完成していません。
たぶん、
これからも変わります。
キャリアは、36歳で完成するものではない
私は36歳です。
「もう若くない」
と思うこともあります。
転職市場を見ると、
20代の求人が目に入ることもある。
「もっと早く始めればよかった」
と思うこともあります。
でも、
キャリアを勉強して、
少し考え方が変わりました。
キャリアは、
一度決めたら終わりではない。
経験する。
考える。
迷う。
選び直す。
学ぶ。
また考える。
その繰り返し。
だったら、
36歳の今からでも、
まだできることはある。
理論を学ぶことは、自分の人生を知ることだった
最初は、
「キャリアコンサルタントの資格を取るため」
に始めた勉強でした。
でも、
今では、
それだけではありません。
理論を学ぶたびに、
自分の過去を振り返る。
検査結果を見る。
これまでの仕事を思い出す。
自分の価値観を考える。
そして、
「ああ、だから私はこうだったのか」
と気づく。
それが、
とても面白い。
資格を取ることももちろん大切。
でも、
その勉強を通して、
自分自身を少しずつ理解できるようになったこと。
それも、
私にとって大きな収穫でした。
これからこのブログでも、
キャリアコンサルタントの勉強をしながら、
出会った理論家の考え方やキャリア理論を、
私自身の経験と照らし合わせながら、
書いていきたいと思っています。
「この理論、私にも当てはまるかも」
「この考え方なら、自分のことを少し理解できるかも」
そんなふうに、
読んでくださる方が自分自身を考えるきっかけになったら嬉しいです。
36歳。
まだ勉強中。
まだ迷っている。
まだ答えも出ていない。
でも、
だからこそ、
書けることがあります。
まだ、これから。
