「転職したい」
そう思ったとき、次に困ったのが、
「じゃあ、私は何の仕事が向いているの?」
ということでした。
今までずっと事務の仕事をしてきた。
特別な専門職ではない。
営業をしてきたわけでもない。
「子どもの頃から、この仕事になりたかった」という夢もない。
だから、求人サイトを眺めても、
「これ、私に向いているのかな?」
「そもそも、私って何が好きなんだろう?」
と分からなくなってしまいます。
そんなとき、私はキャリアについて学ぶ中で、VPI職業興味検査を受けました。
そして、ちょっと意外な結果が出ました。
私のVPI検査の結果
私の結果は、
R 15
I 40
A 10
S 90
E 20
C 65
でした。
そして、興味パターンは、
SCI
でした。
VPIでは、現実的・研究的・芸術的・社会的・企業的・慣習的といった職業興味の傾向を見ていきます。
私の場合、特に高かったのがS(社会的)。
一方で、A(芸術的)やE(企業的)はかなり低めでした。
この結果を見たとき、
「なるほど……」
と思う部分がかなりありました。
一番高かった「S=社会的」
私のSは90でした。
これは、私自身のこれまでの経験を振り返ると、かなり納得できます。
私は、人と話すことが嫌いではありません。
社員から相談される。
申請について聞かれる。
困っている人をサポートする。
相手の様子を見て気遣う。
「ありがとう」と言ってもらう。
そういうことに、私はやりがいを感じてきました。
以前の記事でも書いたように、
「〇〇さんは気が利くね」
「頼られてるね」
「仕事ができるね」
と言ってもらえることが嬉しかった。
だから、
「人と関わりながら、人を支える」
という方向性は、私の中にかなり一貫していたのだと思います。
でも、「人が好き」だけではない
ここは、自分でも面白いところでした。
私はSが90でしたが、
「人とずっと一緒にいたい」
というタイプではありません。
むしろ、これまで職場環境について考えたとき、
「基本は仕事に集中したい」
という気持ちもかなり強いことが分かりました。
人との関わりは好き。
でも、多すぎると疲れる。
一人で集中する時間も必要。
だから私にとって理想なのは、
「人と関わる仕事」と「一人で集中する仕事」の両方があること。
これまでの経験とも、かなり一致しています。
I=研究的も意外と高かった
Iは40でした。
Sほど高くはありませんが、
「普通より少し高い」という感じです。
これも、最近の自分を振り返ると納得できます。
私は、気になったことを調べるのが嫌いではありません。
転職について考えたときも、
福祉について調べました。
社会福祉士について調べました。
通信制大学のパンフレットを取り寄せました。
実際に福祉業界を知る人にも話を聞きました。
ボランティアにも行きました。
キャリアコンサルタントについても調べました。
そして今は、資格取得のために勉強しています。
「気になる」
↓
「調べる」
↓
「実際に話を聞く」
↓
「体験してみる」
↓
「自分に合うか考える」
という行動パターンが、私にはあります。
C=慣習的も65
Cは65でした。
これも、事務職として働いてきた経験を考えると納得できます。
請求書処理。
経費精算。
勤怠管理。
年末調整。
各種申請。
本社への報告。
こうした仕事では、
正確さ。
期限。
ルール。
確認。
記録。
が欠かせません。
私は、こういう「きちんと処理する」仕事が苦手だったわけではありません。
むしろ、責任を持ってやることには自信がありました。
ただし、ここが少し複雑です。
「ルールがある」のは平気。でも「融通が利かない」のは嫌
私は、仕事の中にルールがあること自体は嫌いではありません。
でも、
「昔からこうだから」
「上司が言ったから」
「一切工夫してはいけない」
という環境は苦手です。
前職では、社内規則が細かく、
何かをするたびに何人もの上司の承認を得なければならないこともありました。
上司が異動するたびに、仕事のやり方が変わる。
そのたびに事務員が振り回される。
そういうことには、かなりストレスを感じました。
つまり私は、
「ルールの中で正確に仕事をする」ことはできる。
でも、
「ルールだから何も考えなくていい」という仕事は嫌。
この違いは、今回自分を理解するうえでかなり大きな発見でした。
私の結果を一言で表すなら?
VPIの結果を見ながら、自分の経験を重ねてみると、
私は、
「人を支えることに興味があり、調べたり考えたりすることもでき、事務的な正確さも持っている」
タイプなのかなと思います。
これって、今勉強しているキャリアコンサルタントとも、かなりつながっています。
人の話を聴く。
相手の状況を整理する。
必要な情報を調べる。
選択肢を一緒に考える。
記録する。
そして、相手の意思決定を支える。
「なるほど、だからキャリアコンサルタントに惹かれたのかもしれない」
と、少し納得しました。
検査結果だけで「向いている仕事」は決まらない
ただし、ここは大事だと思っています。
VPIを受けたから、
「あなたはこの仕事が向いています」
と自動的に答えが出るわけではありません。
検査結果は、あくまで自分を考えるための材料です。
実際、私のVPIでは、
簿記事務員
経理事務員
税理士
会計監査係
現金出納帳係
銀行窓口出納員
などの職業も出てきました。
見てみると、
「確かにできそう」
と思う仕事もあります。
でも、
「じゃあ、これをやりたいか?」
と聞かれると、また別の話です。
ここがキャリアの難しいところだと思います。
「できる仕事」と「やりたい仕事」は違う
私は昔、
「仕事は安定していて、長く勤められればいい」
と思っていました。
だから銀行員という仕事を選びました。
そして実際に、事務処理能力は評価してもらいました。
でも、
「できる」から「好き」とは限らない。
「向いている」から「幸せ」とも限らない。
これは、今までの自分のキャリアから強く感じています。
銀行員として働くことができた。
高速道路関連会社でも一般事務を続けられた。
正社員にもなった。
仕事も評価してもらえた。
それでも、
「このままでいいのかな」
と思った。
だから今は、
能力・興味・価値観・働く環境
を全部一緒に考える必要があると思っています。
検査を受けて、一番良かったこと
VPIを受けて一番良かったのは、
「正解が出たこと」ではありません。
むしろ、
「自分の感覚を言葉にするきっかけができたこと」
です。
「人と関わるのは好き」
「でも、人が多すぎる環境は嫌」
「事務処理はできる」
「でも、事務処理だけで一日が終わるのは嫌」
「ルールは必要」
「でも、融通が利かないのは嫌」
「誰かをサポートするのは好き」
「工夫することも好き」
「自分だから任せてもらえることが嬉しい」
こういうことが、一つずつ見えてきました。
「自分探し」は、壮大な夢を探すことじゃない
昔の私は、
「やりたいことを見つけなきゃ」
と思うと、
「私の人生をかけてやりたいことは何?」
と考えていました。
でも、そんなものは簡単には見つかりません。
今はもっと小さく考えています。
何をしているときが楽しい?
何をされると嬉しい?
何が嫌?
どんな人と働きたい?
どんな場所なら落ち着く?
どんな働き方なら長く続けられる?
どんな生活をしたい?
そういう小さな答えを集めていく。
そのほうが、私には合っていました。
36歳でも、自分を知る途中
VPIを受けたのは、
「36歳にもなって、自分の向いている仕事も分からないなんて」
と思ったからでもあります。
でも、今は少し違います。
36歳だからこそ、
これまでの経験と検査結果を照らし合わせることができる。
20代の自分には分からなかったことが、
今なら分かる。
「あのとき嫌だった理由は、これだったんだ」
と気づくこともある。
だから、
自分を知るのに遅すぎることはない
と思っています。
むしろ、経験を重ねてきた今だからこそ、自分のことを少しずつ正確に理解できるようになってきたのかもしれません。
もし今、仕事に迷っているなら
「私には何が向いているんだろう」
と悩んでいるなら、
いきなり答えを出さなくてもいいと思います。
VPIのような職業興味検査を受けてみる。
キャリアアンカーを考えてみる。
これまでの仕事を書き出してみる。
「嬉しかったこと」「嫌だったこと」を書いてみる。
そして、
検査結果と、自分の実際の経験を照らし合わせてみる。
検査結果が自分の感覚と違っていてもいい。
むしろ、
「なんで私はここが高いんだろう?」
と考えることに意味があります。
自分探しの答えは、検査用紙の中に全部書いてあるわけではありません。
自分の人生の中にあります。
検査は、それを見つけるための小さな地図なのだと思います。
私もまだ、その地図を片手に歩いている途中です。
36歳。
VPIを受けても、まだ答えは出ていません。
でも、
「私には何もない」
から、
「私って、こういうところがあるんだ」
へ。
それだけでも、大きな変化でした。
そして今日もまた、
自分のことを少し知る。
そんなところからでいいのだと思います。
まだ、これから。
