「やっぱり違う」と思ってもいい。キャリアの方向転換は失敗じゃない

「この仕事をやってみたい」

そう思ったら、その道を最後まで進まなければいけない。

私は以前、そんなふうに考えていました。

一度決めた進路を途中で変えるのは、失敗。

せっかく勉強したのに別の仕事に行くのは、もったいない。

資格を取ったのに使わないのは、無駄。

そんな考え方をしていたと思います。

だからこそ、若い頃は進路を決めることがとても怖かった。

「もし自分に合わなかったら、どうしよう」

「途中でやめたら、時間もお金も無駄になってしまう」

「取り返しがつかなくなるのではないか」

そんなことばかり考えていました。

でも、いろいろな仕事を経験した今は、少し違う考え方をしています。

「やっぱり違う」と気づくことは、失敗ではない。

むしろ、自分を知るための大切な一歩なのだと思っています。

目次

福祉の仕事を調べたけれど、私は福祉には進まなかった

前の記事にも書きましたが、私は前職を辞めることを考えていた頃、福祉業界に興味を持ちました。

前職で寂しい思いをしたことで、

「もっと優しい世界で働きたい」

と思ったからです。

社会福祉士という資格を知り、通信制大学のパンフレットを取り寄せました。

実際に福祉業界を知る人にも話を聞きました。

そして、障害者施設でボランティアも経験しました。

ここまでやってみて、私は福祉の仕事を選びませんでした。

もし昔の私だったら、

「せっかくここまで調べたのに」

「大学のパンフレットまで取り寄せたのに」

「ボランティアまで行ったのに」

と、自分の行動を「無駄だった」と考えていたかもしれません。

でも、今はそう思いません。

実際に動いたからこそ、**「福祉に興味はあるけれど、職業として自分が続けたいものとは少し違う」**と分かったからです。

これは、何もしなかった場合には得られなかった情報です。

「やってみないと分からない」ことは、たくさんある

仕事は、求人票や仕事内容の説明だけでは分からないことがたくさんあります。

「人の役に立てる仕事」

と書いてあっても、実際に働いてみたら自分が想像していた「人の役に立つ」とは違うかもしれません。

「人と関わる仕事」

が楽しそうに見えても、一日中人と接することが自分には合わないかもしれません。

「資格を取れば仕事の幅が広がる」

と思って勉強を始めても、実際に学んでみたら興味の方向が変わることもあります。

だから私は、

「やってみてから考える」

ことも、キャリアでは大切なのだと思うようになりました。

キャリアは一本道ではない

若い頃は、キャリアを一本の道のように考えていました。

学校を卒業する。

就職する。

そこで長く働く。

昇進する。

定年まで働く。

そんな一本道です。

でも、実際の人生は全然違いました。

私自身、

事務を経験し、

別の業界に移り、

また事務を経験し、

資格を取り、

仕事の幅を広げ、

転職を考え、

退職し、

福祉を調べ、

ボランティアをして、

また方向を変え、

キャリアコンサルタントの勉強を始めました。

振り返ってみると、かなり曲がりくねっています。

でも、今の私から見ると、全部がつながっています。

「無駄だった経験」は、ほとんどなかった

例えば、私はこれまでに取った資格の中にも、直接仕事で使わなかったものがあります。

それでも、勉強したことが無駄だったとは思いません。

簿記を勉強したことで、会計やお金の流れが分かるようになりました。

労務や衛生について学んだことで、社員を支える仕事への理解も深まりました。

法律や税金について勉強したことも、仕事だけでなく生活の中で役立っています。

そして何より、

「私は勉強して、新しいことを身につけるのが好きなんだ」

という自分自身への理解につながりました。

福祉について調べたことも同じです。

私は福祉の仕事には進みませんでした。

でも、

「人を支える仕事に興味がある」

「人の役に立つことにやりがいを感じる」

「ただし、自分に合う支援の形がある」

ということが分かりました。

これは、次のキャリアを考えるうえで大きな発見でした。

「向いていない仕事」が分かることも、前進

キャリアについて考えるとき、

「自分は何がしたいんだろう?」

と考える人は多いと思います。

でも、私は最近、

「何をしたくないのか」

も同じくらい大切なのではないかと思っています。

私は、これまでの経験から、

事務処理だけを延々と続ける仕事は苦手。

人とずっと一緒にいる仕事も苦手。

個人の工夫がまったく認められない仕事も苦手。

上司の言うことだけを何も考えずに実行するような仕事も苦手。

逆に、

人をサポートする。

必要なときに人と話す。

自分なりに工夫する。

「あなたに任せたい」と言ってもらえる。

そんな仕事にはやりがいを感じます。

これは、最初から分かっていたことではありません。

働いてきたから分かったことです。

40代からの方向転換は「遅い」のか

今、私はキャリアコンサルタントの勉強をしています。

これを始めるときにも、

「今から?」

と思いました。

もっと若い頃に始めていれば。

もっと早く気づいていれば。

そんなことを考えることもあります。

でも、もし20代の私がキャリアコンサルタントの勉強を始めていたとしても、今の私はいなかったと思います。

いくつもの仕事を経験して、

人間関係で悩んで、

転職して、

資格を取って、

社員を支える仕事をして、

福祉にも興味を持って、

実際に現場を見て、

それでも違うと思って。

そうした経験があったからこそ、今の私はキャリアについて考えたいと思っています。

だから、

「もっと早く気づけばよかった」

というより、

「今だから気づけた」

と考えるようになりました。

「やっぱり違った」は、方向を間違えた証拠ではない

私は、福祉を選ばなかったことを後悔していません。

社会福祉士を目指さなかったことも後悔していません。

むしろ、あのとき調べて、行動して、やめたことを良かったと思っています。

なぜなら、そこで一つ、

「自分が本当に求めているものは何なのか」

を考えることができたからです。

キャリアには、正解が一つだけあるわけではありません。

一度決めた道を変えてもいい。

資格を取った後に別のことをしてもいい。

今の仕事を辞めてもいい。

逆に、辞めないという選択をしてもいい。

大切なのは、

「最初に決めたことを守ること」ではなく、「今の自分に合う方向を考え続けること」

なのだと思います。

キャリア理論を勉強して、さらに気づいたこと

キャリアコンサルタントの勉強を始めてから、私は自分の過去を振り返ることが増えました。

それまでは、

「私は転職が多い」

「いろいろな仕事をしてきた」

くらいにしか考えていませんでした。

でも、キャリア理論を学ぶと、

「なぜこの時期にこの仕事を選んだのか」

「なぜあの仕事では楽しかったのか」

「なぜ別の仕事では苦しくなったのか」

ということを、少し違った角度から見ることができます。

過去の出来事は変えられません。

でも、過去の経験にどんな意味をつけるかは、今の自分が考え直すことができます。

それは、キャリアを考えるうえで、とても面白いことだと思っています。

方向転換するために、まずできること

「今の仕事が合わない」

「別の仕事に興味がある」

と思っても、すぐに退職する必要はありません。

まずは、

  1. 気になる仕事を調べる
  2. 実際にその仕事をしている人の話を聞く
  3. 資格や必要な経験を調べる
  4. 説明会やセミナーに参加する
  5. 可能なら副業やボランティアなどで実際に触れてみる
  6. やってみて、自分に合うか考える

小さな行動から始めてもいい。

そして、

「思っていたものと違った」

となっても大丈夫です。

それは失敗ではなく、

「自分にはこれは合わない」という大切な発見です。

「まだ、これから」

私は、若い頃の自分に、

「そんなに怖がらなくても大丈夫」

と言ってあげたいです。

進路を一度決めたら、その道を一生歩かなければならないわけではない。

仕事を選んで、違ったら考え直していい。

資格を取って、別のことに興味を持ってもいい。

40代になってから、新しいことを始めてもいい。

そして、50代になってから方向を変えてもいい。

キャリアは、最初に決めた一本の道ではなく、歩きながら少しずつ形を変えていくものなのかもしれません。

私もまだ、答えを見つけたわけではありません。

でも、今は「分からない」ことを以前ほど怖いとは思いません。

調べてみればいい。

やってみればいい。

違ったら、また考えればいい。

そう思えるようになったからです。

「やっぱり違う」は、終わりではない。

その先に、まだ知らない自分の可能性があるかもしれない。

だから私は、これからも試行錯誤しながら、自分のキャリアを探していきます。

まだ、これから。

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